ホーム > ブログアーカイブ > コンサルタント、その真の報酬:2008年3月11日
昨年の1月から2月にかけて、会社のルールを設定したい、経営の基本的な考え方について見直したい、という企業の依頼を受けました。社長から切迫した声で電話がかかってきたことを今でも鮮明に覚えています。
短い期間でしたが、経営理念の策定から就業ルールの設定を行うと共に、PBM経営理論にそって、経営をするということについて社長と討議を重ねました。
先日、私に依頼するきっかけになったある出来事から1年経過したということで、社長からその後の経過報告がありました。その社長はそういう気配りが出来る人なのです。社長の話によると、現在は従業員が活き活きと働く環境ができ、業績にも明らかに良い影響を与えているとのことでした。
私が一番嬉しかったのは、その社長が私と一緒に2ヶ月で創り上げたものを、私が期待した以上に今の経営に活かしてくれているということです。例えば、経営理念を創りましたが、社長は社員に指導する際に、経営理念を論理的根拠に活用されているというのです。例えば、お客様にこう接するべきだという話をするときは以前は「俺の経験では、この方がいいはずだ」と話していたのが、今では「経営理念ではこう決めた。こちらの案の方が、より経営理念を実現できるはずだ。だからこうしよう」のような会話が、社員とのやりとりの中で増えているというのです。
森井義之先生のPBM理論では、経営理念には「3つの明確」がなければならないとしています。その3つとは、
(1)会社が「存続するための使命と方向性」を明確にする
(2)会社が変化する時代に対応しながら勝負していく「事業領域」を明確にする
(3)意志決定の際の「最終的な判断基準」を明確にする
社長と創り上げた経営理念はもちろんこの3つが明確になっていますし、この社長はその3つの明確の意味を覚えていてくれて、上記のように活用しているのです。
また、当時の社長に私は、社員との関わりをもっと高めるようにアドバイスをさせていただきました。私は中小企業において、経営者が自社の企業との関わりを持つか、持たないかということは企業の事業活動に大きな影響を与えると考えています。なぜならば、経営者から注目されること、関心をもたれること、理解されることは社員がモチベーション(やる気)を高めるためには不可欠な要素だからです。ハーズバークは動機付け-衛生理論の中で、動機付要因に承認を上げました。企業の規模に拘わらず、自分の仕事に対する関心を経営者に持ってもらうことが、社員の自己実現意識を高め、結果として企業全体の事業活動を高めると考えます。そして、社長との話の中で、この1年社長はこのことを実行されてきたことが伝わりました。恐らく、社員が活き活きするようになったのはこのことが非常に大きいと考えています。
2時間程お話を伺いしましたが、この社長から私は、金銭以上の報酬を頂きました。自分が関わった企業が、私との触れ合いをきっかけに、多少なりとも良い方向に変化したことを、社長の口から感謝の意と共に伝えられたとき、私は何時も胸がいっぱいになり、恍惚感に包まれるのでした。
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