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有用性のある提案は四現主義から生まれる:2007年12月19日

大学時代の同期の会社に、大手コンサルタント会社が入ったそうだ。その同期が悔しそうに話す。

「何千万円金払って出てきた答えは、言われてみれば当たり前のことだった。自分達だけでなんで見つけられなかったのか、あの答えを得るために自分の年収のウン倍の金を会社が払ったと思うと、悔しくて、悔しくて」

 この話を聞いて、優秀なコンサルタントが来たな、と思った。出てきたソリューションが自分たちの日常業務からかけ離れていたり、理解できないものだとしたら、それこそ何千万も払った価値もないだろう。身近な所にありながら、自分達には見えていなかったそんな問題を指摘されたからこそ、彼の悔しさを感じたのだろう。

 答えは自分達の中にある。しかし、その抽出方法がわからない。金山に住む者は金の取り出し方法を教わって初めて地金を手に出来る。その抽出方法にこそ何千万もの価値があるのだ。
 
 森井義之先生は、コンサルティングの内容について「有用性」を重要視する。WHAT TO DO、何をすればいいのかが明確なコンサルティング、つまりソリューションを聞いた中小企業者が、明日から自ら動き出せるコンサルティングでないと、価値がないと仰る。

 WHAT TO DOかどうかの簡易的な分岐点は、そのソリューションを、現場を目の前にして、自分が語れるかどうかにあるように思う。
 
 支援先の資金創出策として、資材管理にメスを入れた。自分は、卸の支援経験があるので、棚割やかんばん方式を活用した適正在庫数の維持方法を知っている。しかし、その会社の資材倉庫を見たときに、その知識をそのまま語ることはできなかった。トラックのコンテナを活用したその狭いためにフォークリフトを使えない倉庫において、どうやって棚に重量がある資材を移動するのかを合わせて提案しない限り、棚割の方法を説いても意味がないのだ。

 まずは、この無秩序状態に、秩序を与えることからスタートした。倉庫管理担当者の設定、倉庫納入を物流会社任せから担当者の指示を受けてから納入への変更、資材在庫数管理表の作成と現在の在庫数の把握、リードタイムの把握から発注点となる数量の決定、資材会社の気ままに梱包数を変えることへの改善依頼から始め、まずは現在の在庫数を可能な限り削減することから手を付けることにした。

 恐らく、現場を見ていなければ「まずは棚に番地を振って資材ごとの置き場を固定してください。次に・・・」という話をしていたと思う。回答内容は正しい。しかし、聞いた方はそのまま実行することが出来ない。そういう提案では有用性があるとは言えない。

 「現場に出て、現物を見て、現実を知り、現状を測る。」、常に自分の提案がこの四現主義に基づいたものか、自問自答していかなければならない。

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